チェルシエ倉庫の「のびない下着」について、ご説明します。
チェルシエ倉庫では、ゴムやカットソー生地を使わずに下着をデザイン&製作しています。
基本的に布帛(織地)だけで作ります。
(たまに綿や芯地も使います。)
伸縮素材を使わない下着は、ゴムのようにのびたり形を変えたりしません。
また、劣化しづらいので使っていくうちにベロンベロンにのびて無残な姿になることもありません。
それなので「のびない下着」と呼んでいます。
(100%絶対にのびないわけではないので、厳密にいえば「のびにくい下着」ですが。)
◆「のびない下着」の特徴
①身体を過度に締めつけない
チェルシエ倉庫の下着はほぼ全て、布の紐を使ってフィット感を調節する設計です。
布ひもはのびないので、きつく締めると苦しくなります。なので最初から「きつく締めすぎる」ことがなくなります。
当たり前のことですが、これが結構重要です。
ゴム紐をつかった一般的な下着は、ゴムで布(下着)を身体にフィットさせる構造ですが、こうした下着ではゴムの入った部分だけが局所的に体を締めつけます。
そのため、締められた部分だけ身体に跡がついたり、血行が悪くなったり、汗がたまりやすくなったりします。
でも、ゴムは伸び縮みするので、締めつけの不快さに気づかないままになることも。
不快さに気づかない、というのは不思議な感じですが、快を知らないままだと不快さも自覚できないものです。
②体調や体型変化に応じて調節できる
ひもでフィット感を変えられるので、気分が悪いときは少し緩めたり、ちょっとむくんだり太ったりしてサイズを調節できます。
パターン自体に調節幅を確保したしています。
白状しますと、実は開発者自身、季節によって体重が変化するタイプです。
(冬眠するわけでもないのに、毎年冬〜春先にかけて約5キロ増え、初夏に元に戻ります)
なので、ある程度の体型変化に対応できる下着が欲しくて、このような設計にしました。
体調や体形の変化のパターンは人それぞれです。
その都度、ひとりひとりが自分の状態に応じて調節できるような下着をつけることが、身体にとっても日々のパフォーマンスにとっても大切だと思います。
③物理的に長持ち
使っている布帛(織地)はリネンやヘンプ、絹、綿などの天然繊維でできています。
繊維自体が強く劣化しづらいので、擦り切れるまで何年でも使えます。
特にリネン(麻)は天然繊維の中でもっとも耐久性があると言われています。
また織地は極端なのび方をしないため、生地に変なクセがつかず、快適な着用感が持続します。
ご参考までに、当倉庫のリネンのブラジャーは、今のところ最古のもの5年ほど使っていますが、特に問題なく現役です。
ごみ箱に近づくどころか、むしろ使えば使うほど風合いも着け心地も良くなっています。
買い替えのサイクルが圧倒的に変わるので、ごみも減らせるし経済的でもあります。
一方で、ゴム紐や伸縮生地につかわれるスパンデックスは、物理的に劣化しやすいのが欠点です。
最初は体に合っていたブラのストラップやアンダーがゆるんできたり、
パンツのウエストゴムがベロベロにのびたり、
適度にのびて着やすかったジーンズがしばらくしたら膝だけ出てしまった・・・
という経験は珍しくないでしょう。
特にブラジャーは洗濯でワイヤーの形が崩れたりすることも相まって、ほとんどの場合1年、長くて2年程度しか持ちません。
④見た目は大きめ
布帛は体にあわせて伸び縮みするわけではないので、最初から体がすっぽり入る大きさでないと着脱できません。
しかも、服の下で体が動けるようにするための余裕(ゆとり)も確保する必要があります。
なので、伸縮素材の下着を見慣れた目には「のびない下着」はとても大きく見えるかもしれません。
特に、パンツは大きさの違いがでやすいと思います。
伸縮素材の衣服は、体型に合わせてのびます。
というか、体が入るように大きく伸ばして着ているのです。
伸ばして着ることを前提にした伸縮素材の下着は、小さく作られています。
それと比べると、のびない素材で作った下着は大きくできていますし、大きく見えます。
これは素材の特性によるものなので、
「着る前の下着の大きさ=自分の体の大きさ」ではないのですが、
下着がのびてるかどうかなんて気にせずに使ってきた私たちの目には、「のびない下着」が特別大きく見えてしまうのは仕方のないことかもしれません。
だからといって「わたしのお尻、こんなに大きかったなんて・・・」とショックを受けたり落ち込んだりする必要は全くないのですよ。
快適な着用感の長持ち下着はそういうもので、必要なのがその大きさなのですから。
そのうち目も慣れてきます。
私たちの目って、とても柔軟にできているのです。
目なんてそんなもの。
「のびない下着」には良いことたくさん。
ぜひ、毎日の生活に使ってみてください!
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